メッキ技術情報

硬質クロムメッキと無電解ニッケルメッキの積層技術

機械部品の精度向上に伴い、お客様の品質要求は着実に上がってきています。機械部品は用途によって必要な特性が異なりますが、硬度を高めることによる耐摩耗性の向上の他、離型性・摺動性・耐食性を期待されてメッキのお引き合いを頂きます。

硬質クロムメッキはその高い硬度から多くの機械部品に採用されておりますが、均一電着性に乏しく円筒状の製品であればその内側と外側で大きな膜厚差が生じてしまいます。そのため、近年均一電着性に優れる無電解ニッケル・リン複合メッキや無電解ニッケル・ボロン複合メッキが採用されるケースが増えてまいりました。

無電解ニッケル・リン複合メッキは析出状態で低リンタイプがHv700、中リンタイプがHv550、高リンタイプがHv500前後で、熱処理によって最大Hv950まで硬度を上げることが出来る。一方で、硬質クロムメッキは析出状態でHv950からHv1050の硬度を誇るため、硬質クロムメッキを選択されるお客様が数多くいらっしゃいます。

 

写真1

写真1 メッキ処理前の素材

写真1の様に円筒状の製品があり、外側はHv950必要だが内側に硬度は必要なく、耐食性の観点からメッキは必要というケースがあります。アルファメックでは、そういった製品に対して、一旦無電解ニッケル・リン複合メッキを施した後に(写真2)、マスキングし外側に対してのみ硬質クロムメッキを施す(写真3)積層技術をご提供できます。

 

写真2

写真2 無電解ニッケル・リン複合メッキ処理後

写真3

写真3 外周部分に硬質クロムメッキ処理後

こうすることで安定した膜厚管理を行い、満足できる性能を製品に付与することが可能となります。

また、ネジ穴周辺などメッキが付きにくい部分にもしっかり密着させることもアルファメックの技術では可能です。

お問い合わせございましたらこちらからよろしくお願い致します。

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