真鍮(黄銅)

真鍮(黄銅)は、銅と亜鉛の合金に添加元素を加えて特性を向上させた金属材料で、亜鉛の添加量が43%程度をピークに引っ張り強さを増し、15%程度から耐食性は低下していきます。その他、添加元素によって電気伝導率、沸点、熱伝導率、耐食性、加工性が変化します。アルファメックでは下記表にある真鍮(黄銅)の中で、アルミニウム黄銅及び高力黄銅に以外に対してメッキ可能です。 加工性の良さから、機械部品の母材として選択されますが、弱点である硬度や耐食性及び耐薬品性を補うために各種機能メッキを行います。アルファメックの実例として、ロウ付け性を持たせるための硫酸銅メッキ、硬度を持たせるための無電解ニッケルメッキ、耐食性及び耐薬品性を持たせるためのニッケル―クロムメッキがあります。

メッキ時の注意点

1. アルカリ焼け

真鍮(黄銅)は脱脂剤などpHの高い溶液に長時間浸漬するとアルカリやけを起こし表面が黒くなります。これは真鍮(黄銅)に含まれる銅が水酸化ナトリウムと反応してアルカリ化膜を生じるためです。長時間の浸漬脱脂は避けるか、中性タイプの脱脂剤に切り替える必要があります。

2. エッチング

真鍮(黄銅)はその中に含まれる銅も亜鉛も塩酸に非常に弱く、エッチングされてしまいます。真鍮(黄銅)を酸活性する場合は希硫酸を用います。

3. ストライクメッキ

真鍮は錆びにくい金属材料ではあるものの、酸化皮膜が形成されます。酸化皮膜はメッキ密着性に影響を及ぼすためストライクメッキを最上面皮膜との間に挟むことで、密着性を保証することができるます。アルファメックでは真鍮(黄銅)にメッキをする際必ずストライクメッキを施しています。

メッキ発注時のご確認事項

真鍮(黄銅)は上記の通り含有する金属元素によってその性質を変えます。鉄鋼素材と同じように、金属元素の含有量によってメッキ前処理の方法が変わってくるため、下記表の通り真鍮(黄銅)の種類をご確認頂き発注頂ければ幸いです。

種別 JIS番号 特徴
雷管用銅 C2051 絞り加工性に優れている。
丹銅 C2100,C2200,C2300,C2400 淡紅色の色調から建材、装身具などに用いられる。
七三黄銅 C2600,C2680 展延性に富む。
65/35黄銅 C2700,C2720 展延性、絞り加工性に優れている。配線器具、機械部品、スナップボタンに用いられている。
六四黄銅 C2800,C2801 熱間加工性に優れている。強度があり展延性も良好であるため打ち抜いたままや折り曲げて使う配線器具の部品やネームプレートに使われています。
快削黄銅 C3560,C3561,C3710,C3713 鉛を添加して黄銅の被削性を改良したもので、ねじや歯車などに仕上げられる。
すず入り黄銅 C4250 すずを添加して強度を増した黄銅。ばね性に優れ、コネクタなどに用いられる。
ネーバル黄銅 C4621,C4640 すずを添加し亜鉛の比率を上げた黄銅で耐海水性と強度に優れている。海洋構造材などに用いられる。
アドミラルティ黄銅 C4430 すずとひ素を添加した黄銅で熱伝導性に優れる。淡水を冷却水とする熱交換器管に用いられる。
アルミニウム黄銅 C6870,C6871,C6872 アルミニウムとひ素を添加した黄銅で耐海水性と熱伝導性に優れる。熱交換器及び覆水器用伝熱管に用いられる。
高力黄銅 C6782,C6783 アルミニウム、マンガン、鉄を添加した黄銅。強度が高く、船舶用プロペラ軸やポンプ軸などに用いられる。

 

アルファメック取り扱いメッキ種 可否
硬質クロムメッキ
電気ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキ Ni-P
無電解ニッケルメッキ Ni-B
無電解ニッケルメッキPTFE Ni-P/PTFE
無電解ニッケル・セラミックス複合メッキ Ni-P/BN
黒色無電解ニッケルメッキ
硫酸銅メッキ

技術情報


お問合
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