反射率の圧倒的に
低いメッキ

さまざまなメッキの中で光の反射率が圧倒的に低いメッキが黒色無電解ニッケルメッキです。
精密機器、医療機器、光学機器などで今まで不可能とされていた加工、精度が出せるようになります。

代表的な使用例

精密機器

無電解ニッケルめっきの特性を活かし、
製品全体を均一に黒く処理することが可能です

レンズ

内部反射を抑えることで
作品の品質をアップします

医療機器

手術機器の反射を抑えることで
手元がより見やすくすることができます

黒色無電解ニッケルメッキとは

無電解ニッケルメッキの表面を粗化することで光の反射率を下げ、暗黒度の高い黒色に仕上げる技術です。主に光学部品への利用を期待され開発されましたが、他の表面処理による黒化処理と比較し、様々な点で優れることから幅広い業種の設計者から問い合わせ、試作依頼を受け、既に沢山の量産実績もございます。
無電解ニッケルメッキの特徴は、電源を利用しない化学メッキのため均一電着性に優れ、寸法精度が求められる精密部品や、複雑な形状の製品への密着ムラが発生しないことと、ニッケル単体ではなく、りんとの合金であるために、電気ニッケルメッキと比較して耐摩耗性で優れています。一般的な無電解ニッケルめっきと比較して耐食性は劣りますが、積層技術により要求レベルに応じた耐食性の付与も可能です。

黒色無電解ニッケルメッキのメカニズム

無電解ニッケルメッキを処理した後に、黒化処理液にて皮膜を粗化することで、光の反射率が下がり、外観は暗黒度の高い黒色に仕上がります。この皮膜は通常の無電解ニッケルメッキよりも脆いため、ベーキング処理を加えることで金属組織の再結晶化を起こさせ、黒化処理皮膜の固着安定化を促します。ただし、膜厚コントロールは一般的な無電解ニッケルめっきレベルの精度で行うことが出来ません。
10μm以内で通常± 2μm の精度となります。

黒色無電解ニッケルメッキの特徴

1.反射率

下図に示します通り、黒色化後は一定して反射率が下がります。

2.耐熱性

試験条件:空気雰囲気 150~300℃(アドバンテック東洋㈱製 高温送風低温乾燥機 DRH453WA)

3時間 6時間 12時間 24時間
150℃
200℃
250℃
300℃ ×

3.耐候性

試験条件:光源:キセノンランプ 放射照度:750W・m-2(ATLAS社製サンテストXLS+)
照射時間 1000時間 :退色なし

4.耐変色性〜高温高湿試験〜

試験条件:湿度95℃ 温度80℃(アドバンテック東洋㈱製 低温恒温高湿器 THE051FA)
1440時間 :変退色なし

5.耐変色性〜中性塩水噴霧試験〜

試験条件:JIS H 8502に準ずる。
24時間 :変色あり

6.硬度

析出時:Hv400-450
熱処理後:Hv750-800
※社内実験データによる

発注時のポイント

1.膜厚

min 5μm
MAX 20μm
※範囲外の場合は別途ご相談ください。

2.材質

一般鋼、ステンレス鋼、特殊鋼、銅合金、ニッケル合金、チタン合金
※その他材質は別途ご相談ください
※アルミ合金、マグネシウム合金は対応不可

3.サイズ

Min M1ボルトサイズ
MAX 800mm 又は 8kg
※範囲内でも形状によりお断りする場合がございます。

4.対応しづらい形状

  • 止まり穴が多い場合
  • 止まり穴が一方向ではなく反対方向にそれぞれある場合
  • 治具保持可能箇所がない(全面メッキ指示)

5.実績

  • ゴルフクラブ(商品名:ブラックボロン)
  • 機械部品
  • カメラレンズフード
  • センサカバー
  • 医療用ロボットアーム
  • 建設機械用カメラブランケット
  • 小型ピン
  • 超小型ネジ(最小M1~)

メッキに関するご質問

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