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転生モノという舞台装置
先日ネットフリックスで「無職転生」というアニメを観終わって、転生モノとしては「押しの子」「俺だけレベルアップな件」に次いでお勧めしたい内容でした。
ここ数年どころの騒ぎではありませんが、漫画のジャンルに「転生モノ」が出来、半分以上の漫画がそうなんじゃないかと思わせるほど、転生モノのベビーブームな現代。私なりに考えてみました。
世界観を説明しなくてもよい
主人公が、現代の日本から事故などで亡くなることで転生し、その漫画が描こうとしているファンタジーなどの世界へ飛ばされ、記憶と意識を保ったままその世界に順応していくため、世界観の説明を違和感なく行うことが出来ることが、多用される要因ではないかと考えております。
ファンタジー漫画の鉄則として、タブー視されていることがあります。
それは、その漫画の舞台について事細かく冒頭で説明してしまうことです。言うならば、昔の携帯電話を買って来て、死ぬほど分厚い説明書を読み終えないと使えないようなものです。娯楽なのにです。
自動車なら、教習所に通い、免許証を取得するまで一人で公道を運転することは出来ませんが、これは仕方のないことです。面倒だし、お金がかかるし、何より時間が掛かる。しかし法律なので我慢しなければならない。でも、娯楽に対して時間を浪費して我慢することは求められていないのです。
しかしながら、設定の細かい複雑な世界観の上で進行する物語は、全容を違和感なく伝えるために膨大な時間を掛ける必要があります。それも熱心な読者以外には、同じくスルーされてしまう要因となってしまいます。
ですから、転生者がその世界に順応する過程という一種のエンタメを用いて、世界観を説明するというなんとも便利な舞台装置になっているため、多用されるという背景があると私は考えます。
都合が良いのは死んだから当然
世の中の漫画ファンには色々な世代、趣向の方がいらっしゃいます。
主人公が、生まれつき強力な力を持っていて無双する漫画では、満足しない層がいて、スポーツ根性もので最も強く、ファンタジーものであっても修行など努力の過程プラス先祖からの遺伝での覚醒などを用いなければ許されません。
しかし、転生モノはどちらかと言えば不遇の人生を歩んで来た主人公が、突然の不慮の事故などでの”死”によって、最悪の状態からいわばご褒美のような形で特殊能力を付与されるケースや、生前の知識が転生先で最高の情報商材として活かせる場面が多いケースなどに対して、読者が「ご都合主義だ」と言えない説得力を持っているのです。
日本人は特に、死に対して絶対領域を感じる民族かもしれません。
転生者大喜利
ツンデレ、幼馴染がマドンナ、美女ハーレム不可抗力、気(超能力)、凄い選手が暴力事件で追放されて熱意を失ってしまった、などの漫画的発明と同じように、ただ転生したらすごかっただけでは物足りず、生まれた自分と同じ能力を持った転生者の存在という展開という発明が、読者をググっと引き付けています。その内飽きられますけど。
例えば島耕作のファンが、その世界に転生させられてうまく立ち回るとか、漫画作品への転生も発明として位置づけられます。
もはや、「転生したら〇〇だった」大喜利状態で、今まで世界に存在してきた様々な漫画設定を闇鍋の様にかき回して味わうという、混沌とした状態であります。
先日ネットフリックスで「無職転生」というアニメを観終わって、転生モノとしては「押しの子」「俺だけレベルアップな件」に次いでお勧めしたい内容でした。
ここ数年どころの騒ぎではありませんが、漫画のジャンルに「転生モノ」が出来、半分以上の漫画がそうなんじゃないかと思わせるほど、転生モノのベビーブームな現代。私なりに考えてみました。
世界観を説明しなくてもよい
主人公が、現代の日本から事故などで亡くなることで転生し、その漫画が描こうとしているファンタジーなどの世界へ飛ばされ、記憶と意識を保ったままその世界に順応していくため、世界観の説明を違和感なく行うことが出来ることが、多用される要因ではないかと考えております。
ファンタジー漫画の鉄則として、タブー視されていることがあります。
それは、その漫画の舞台について事細かく冒頭で説明してしまうことです。言うならば、昔の携帯電話を買って来て、死ぬほど分厚い説明書を読み終えないと使えないようなものです。娯楽なのにです。
自動車なら、教習所に通い、免許証を取得するまで一人で公道を運転することは出来ませんが、これは仕方のないことです。面倒だし、お金がかかるし、何より時間が掛かる。しかし法律なので我慢しなければならない。でも、娯楽に対して時間を浪費して我慢することは求められていないのです。
しかしながら、設定の細かい複雑な世界観の上で進行する物語は、全容を違和感なく伝えるために膨大な時間を掛ける必要があります。それも熱心な読者以外には、同じくスルーされてしまう要因となってしまいます。
ですから、転生者がその世界に順応する過程という一種のエンタメを用いて、世界観を説明するというなんとも便利な舞台装置になっているため、多用されるという背景があると私は考えます。
都合が良いのは死んだから当然
世の中の漫画ファンには色々な世代、趣向の方がいらっしゃいます。
主人公が、生まれつき強力な力を持っていて無双する漫画では、満足しない層がいて、スポーツ根性もので最も強く、ファンタジーものであっても修行など努力の過程プラス先祖からの遺伝での覚醒などを用いなければ許されません。
しかし、転生モノはどちらかと言えば不遇の人生を歩んで来た主人公が、突然の不慮の事故などでの”死”によって、最悪の状態からいわばご褒美のような形で特殊能力を付与されるケースや、生前の知識が転生先で最高の情報商材として活かせる場面が多いケースなどに対して、読者が「ご都合主義だ」と言えない説得力を持っているのです。
日本人は特に、死に対して絶対領域を感じる民族かもしれません。
転生者大喜利
ツンデレ、幼馴染がマドンナ、美女ハーレム不可抗力、気(超能力)、凄い選手が暴力事件で追放されて熱意を失ってしまった、などの漫画的発明と同じように、ただ転生したらすごかっただけでは物足りず、生まれた自分と同じ能力を持った転生者の存在という展開という発明が、読者をググっと引き付けています。その内飽きられますけど。
例えば島耕作のファンが、その世界に転生させられてうまく立ち回るとか、漫画作品への転生も発明として位置づけられます。
もはや、「転生したら〇〇だった」大喜利状態で、今まで世界に存在してきた様々な漫画設定を闇鍋の様にかき回して味わうという、混沌とした状態であります。
無職転生がウケている要因は
無職転生は、引きこもりニートが抱えるトラウマを、ファンタジー世界で直面する人間関係の課題を解決する過程でどんどん捨て去っていくというヒューマンドラマが、比較的引きこもりニートという突飛じゃない誰にだってなり得る存在の等身大である内面性が主人公の中にあるということで、素晴らしい能力を以てしても人間的な悩みは同じという、深みがあるドラマがウケていると私は考えます。
恐らく描きたかったファンタジーの世界観が素晴らしいからこそ、引きこもりニートが転生したという設定が薄れて行ってもファンがついて行くものだと思います。
ただ舞台装置の大喜利にこだわっただけの漫画とは一味違うので、私はお勧めしたいと思いました。
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