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やらなきゃ意味ないよ

今年の流行語大賞は「やらなきゃ意味ないよ」と私の中で決定しました。「いつやるの?今でしょ!」以来の自己啓発系ワードです。

夏季講習の受付がもうすぐ始まる各予備校では、強面の講師が教卓の前に生徒を呼びつけて、「やらなきゃ意味ないよ」と言われ、うなだれる様子をCMで流すかどうか真剣に討議されていることでしょう。

あの事件の黒幕とされる前監督は、非難されるに値する行動と対応をしてしまったことに間違いはありませんが、学校をクビにされて、さらにその学校の理事長も非難されるところまでやるべきなんでしょうか。監督が即座に謝罪して辞職すれば常任理事に就いていて残っていることもうやむやで分からないはずだったと思います。世間は悪いことをした人間が全てを失う様が見たいだけなので、全てを失った演出をすることが今後の謝罪におけるセオリーになるかなと思います。隠してしまうと見つけられたときに「おい、こいつまだ何か持ってたぞ!」と追求されてしまうのです。

逆にあの顔出し記者会見で謝罪した学生は偉いと思います。この時代、SNSで顔写真はおろか出したくない過去の情報まで全て拡散されてしまうという恐ろしさを理解し、「今でしょ!」と素早い対応をしたわけです。もちろん顔出しすることで、顔と名前は覚えられ就職など今後の人生に支障をきたす可能性はあるものの、不要な追及を抑え込むことが出来た判断力は、語り継がれると思います。

「やらなきゃ意味ないよ(色んな意味で)」

こう言われている気がします。

ここ何年か、不倫した芸能人もよく「この度は世間をお騒がせして誠に申し訳ございません。」と言ってますが、むしろ何の浮き沈みもない世の中に話題を提供してくれてありがとう。やられた側のご家族とご自身の身内の方は大変ご苦労されて気落ちすることもあるでしょうが、我々はその件で楽しく一杯やれてます。安心してほとぼりが冷めたら芸能活動を再開してください。

被害者と加害者と我々傍観者の関係が、過剰な断罪を作り上げている気がします。

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