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SDGs~目的の手段化~

SDGsとのファーストコンタクト

多分一昔前はロハスとかロゴスとか熱いパトスとか、そういった環境系の合言葉が出ては消えを繰り返してきましたが、SDGsだけは言い出してから割と根強く残っている印象があります。私は一度だけちゃんと17個のゴールを読んで見て、「うん、大体出来てる。よし!」とサイトを閉じたっきりです。

緩い憲法みたいなもので、何かを決めるとき、選ぶときの判断材料としてSDGsに根差した選択をしていけば、2030年には今と同じかちょっとよくなった世界が待ってるね、という状況になればこの目標はかなり優秀だと言えます。

私が色々な企業様と接する中で、「御社はSDGsにどう取り組まれていますか?」と尋ねられる場面があり、いつもお答えしているのが、「何もしていませんが、ここから外れないようにしています。」という風に言っています。

昔出会ったCO2排出権売買スキーム

CO2排出権を売りますという営業マンからお話を伺ったことがあります。

森林は、林道を整備することでCO2排出能力があると認定されるので、人がチェーンソーや重機で木を伐採して林道整備をしていきます。これで、どのくらいかは分かりませんが、1山何トンかのCO2排出量を持っているということになって、それをCO2排出基準を守れない企業へその権利が余っているので売却することが出来るというスキームのビジネスでした。

それをどうするかというと、CO2排出量○○トンと書かれたステッカーを、建設機械にペタッと貼り付けて納品することで、環境に配慮された企業であるというPRになるそうです。

そ、そうなん・・・?

新入社員だった私は、会議室の端の方で瞬きを繰り返しながらその国ぐるみで胡散臭い話を聞いていました。林道整備でなぜCO2排出量が増えるのか。それを何故別の地域に売れるのか。そのステッカーを貼った重機が環境に配慮していると誰が思うのか。中世ヨーロッパの免罪符か何かかですか。

そのステッカーがあれば、公共事業の加点になるとかどうとか話をしていましたが、市民はちゃんとそれが理屈抜きにして意味のあることかどうか考えた方がいいですね。

空気の綺麗な地域と汚い地域のどちらもあるのが地球ですが、補えるものではないでしょう。今里の交差点が日本で一番空気が汚い場所と認定されていました。それを千早赤阪村の山林で吸収してくれるのでしょうか。

会社で出来るSDGs

結局、今やっている事が本当に達成したい目的を叶えるための手段なのかどうかを考えることが重要だと、SDGsを通じてアルファメックでは社員教育の一環に取り入れています。

例えば、お客様に製品を返送する際、箱をPPバンドで結束して発送していました。PPバンドはポリプロピレン樹脂で出来ていて固く、不燃ごみとして出さなければいけません。そして、一番厄介だったのが運送会社の倉庫内で、PPバンドを掴んで持ち上げられるので、箱がバンドの食い込みで破壊されてしまうということでした。

20数年来、ずっと良かれと思っていたPPバンドの結束を、上記の問題を解決させるために辞めさせて欲しいと申し入れたところ、快諾されました。結果として脱プラだけでなく、経済性も向上させ、箱の破損もなくなり、出荷作業時間の短縮にもつながりました。

海洋汚染を進行させないために脱プラでビニール袋を無料配布しないようにさせていますが、川や海へ廃棄しないルールや仕組みづくりの方がゴールを見据えているので、しっくりこないんだということをどれだけの人が分かっているかどうかです。

じゃあこれはどうなんだろう。と考えるきかっけとしてSDGsは大事にしていきたいと思います。

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