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別れの季節に涙を流せなかった日のこと
今でも鮮明に覚えているのですが、ちょうど31年前の今頃、NHKの教育テレビから流れてきた「おもいでのアルバム(芹洋子作)」を聞いた瞬間、大泣きしてしまったのです。とてつもなく切ない気持ちが込み上げて来て、自分でもびっくりするぐらいの涙量でした。
当然のことながら幼稚園を舐め腐っていた私は卒園式で号泣する同窓生をちょっと引き気味で見守っていましたが、家のテレビであの曲を聴いて何故涙が出たのか分からないまま時が過ぎてしまいました。
今歌詞を読み返してどこで泣いたかを思い出しました。この小節です。
冬のことです 思い出してごらん
あんなこと こんなこと あったでしょ
もみの木かざって メリークリスマス
サンタのおじいさん わらっていた
おもいでのアルバム 芹洋子作
この曲のずるいところは、想い出という地引網漁でどこか心にフックをかけてくるところだと思います。幼稚園でも当然歌ったことがありましたが、下手糞な子供の大声で歌って聞くのと、プロの歌唱だと心にぐっと刺さるものがありました。
結果的に卒園式では泣くこともなく小学生になりました。
小学校の卒業式はあっという間にやってきて、その日、男子で一人だけKくんが泣いていました。
「おい、Kくんが泣いてるで。」
と誰かが言っていたので見に行ってみると、机に突っ伏して大泣きしているのです。
「おーい、どうした。何が悲しいねん。」
Kくん「なんか分からんけど無性に他の子が泣いてるの見たら涙が止まらなくなってんもん、わーーーーん!!」
これに着想を得て出来上がった曲が、一青窈さんのもらい泣きだったわけでもないのですが、K君の純真さは僕の目には意味不明な感覚として映ってしまいました。
ただ、今思い返せばそれっきり会っていない同窓生が沢山いて、寂しくなるんです。
涙というのは、心が抱えきれないストレスを受けた時に流れ出るもので、涙が止まった後は心が整理されてすっきりとした気持ちにさせられます。
だから、私にとって小学校の卒業式はまだ心の中で整理がついていない部分があるんじゃないかなと思ったりもします。
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