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就活ルール撤廃と未来の面接風景

新しく始まりました、就活ルール撤廃に歩を進める経済界の動きに対して、勝手に未来予想をしてみたいと思うこのコーナーです。未来の就活はどうなるのか、ストーリー調でご覧ください。

面接官「それでは、Aさんお入りください。」

A「はい、失礼いたします。」

面接官「ご着席ください。」

A「はい、ありがとうございます。」

面接官「お名前と、大学名と専攻を教えてください。」

A「なにわ大学経済学部1回生のAです。」

面接官「はい。ありがとうございます。それではAさんにお聞きいたします。なにわ大学経済学部に晴れてご入学されたということですが、これから4年間で何を学んでいき、どのようになって行きたいかお答えください。」

A「はい。なにわ大学では、主に大阪の食と笑いについての研究が盛んですので、お笑いの聖地であるミナミの飲食店でアルバイトをしながら肌で大阪の空気を感じ、その経験を活かして食と笑いを繋げた地域活性について学んでいきたいと考えています。」

面接官「ほう・・・。ということは、ミナミの飲食店でこれからアルバイトをされるということですか。」

A「はい。地方から出てきていて生活費も必要ですが、この4年間をただお金を稼ぐだけで終わらせたくないので、笑いに精通している方が多そうな場所でアルバイトしようと考えています。」

面接官「なるほど。いい考えですね。」

A「はい、ありがとうございます。そこで、出来ればバイトリーダーになり、40人いるスタッフのシフトを組み、欠員が出ないように休むバイトがいたら必ず代わりを探せる仕組みづくりをしたいと、考えています。」

面接官「・・・なるほど。考えているんですね。実現出来ればいいことですね。他に、大学でサークル活動なんかはする予定はありませんか?」

A「なにわ大学はお笑いサークルが多いので、そのうち一番小さなサークル、『Dona Yee』(どない)に入るつもりです。」

面接官「なぜそのサークルに決めたんですか?」

A「このサークル、人数は5人と他に比べて非常に少ないのですが、全員がM-1グランプリやR-1グランプリでの優勝を目指して頑張っているという点にひかれました。過去には、2回戦にコマを進めかけた先輩がいた、というのも魅力の一つです。私は、4年目の秋に2回戦にコマを進めて、その実績で次の年、たくさんの後輩がサークルに入ってきてくれる、だろうということを目標に頑張りたいと、考えています。相方はまだいませんし、これから2年間かけて見つけられたらいいかなと、考えています。」

面接官「そうですか。それは楽しみですね。頑張ってください。」

A「はい、楽しみです。」

面接官「では、結果は追ってご連絡させていただきます。本日はありがとうございました。」

 

という具合に、1回生の4月ごろから採用を始めて、その子たちの計画を評価するのです。「〇〇をしようと考えている」そして、それが本当に実現していくのか、定期的な面談やインターンシップを重ねて、4年間でその子を育てるつもりで採用活動をしていくというものです。

4回生の4月から始まる面接では、「サークルの副部長」と「バイトリーダー」が激増すると言われています。

これまでの人生で一番頑張ったことも、一晩考えた嘘のエピソードトークかどうか分かりません。論理破綻しないかどうか質問を重ねていくのも大変です。仮に嘘のエピソードを信用して採用した後、バイトリーダーの経験があれば簡単に出来る人間づきあいが一番苦手みたいなことだって起こりうるわけです。

こうなると非常に手間ですが、まだ育っていない人物を企業がヨダレを垂らして欲しがる人材に4年間かけて啓発しながら育てていくのもありかなと妄想したのであります。

この後面接するBくんは、アンコールワットへ旅行した際に見る予定の貧困に喘ぐ子どもたちを救うために、クラウドファンディングでサッカーチームを作り、試合の模様をYouTubeで放映してその広告収入で学校を建てる予定だという妄想エピソードを語ります。

そしてCくんは、2回生までの間に単位を取り終えて、そこまでで貯める予定の50万円とニコンの一眼レフ(フルサイズ)だけを持って、ユーラシア大陸を横断するバックパッカーの旅をしたいと語ります。そこで出会った仲間たちと一緒に、在学中にバックパッカーのためのベンチャー企業を立ち上げてみたいそうです。

面接官がいかに否定せずに学生たちを泳がせるかが、彼らの夢を大きく膨らませる結果に繋がります。ちなみにAくんは不採用となりました。

理由は、サークル名がおもんないし、そのおもんない名前のサークル選ぶ時点でセンスが無いからです。

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