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純朴そうな顔をして純朴なやつだった件
大学という場所は、多様性だったなとつくづく感じさせられたのが、出身地がバラバラだったことでした。小学生の頃、転勤族だった子が関東から来て標準語なので驚くみたいなどころの騒ぎではなく、関東出身者のコミュニティが存在するぐらいある場面では標準語で喋る人口の方が多いところに出くわしたり、行ったこともない県の出身者が同じ部活に在籍していたりして、「関西人以外はお笑いに興味がない」と言い伝えられていたけども、結局面白い奴はどこ出身でも面白いし、面白くない関西人も大勢いるということが露呈した4年間でもありました。
その中でも記憶に残っているのが日本海側の地方都市から大阪に出て来た後輩がいて、とても頭が良くまじめで、ルールを守ることが本当に大切だと言う頭の固い奴かと思わせておいて、ノリがめちゃくちゃ良く人望があり、卒業して十年以上経っても付き合いが続いている子がいます。
大阪に出て来て既に15年を超えたぐらいで、はっきり言えば人生の半分近くを大阪で過ごしていて、結婚もこっちでして、子供を大阪の下町で育てていて、職場も大阪なので、もうこっちの人間だと言ってもおかしくないぐらいのレベルに到達していると私は認識していました。
ある日、一緒に遊びに行くことがあり、夜八時を過ぎたぐらいで晩飯でも食べに行こうかという話になりました。
「この辺で、めちゃくちゃ美味しい中華料理の店があるんですが、行ってみますか?」
と、彼らしく礼儀正しい言い方で、それでいて大阪に慣れて生活基盤もこちらで築き上げてきた自信のようなものを感じさせる頼もしい一言に私も嬉しくなり、「おお!楽しみやな!どんなとこやろな~。」と期待の言葉を発して彼の後をついて歩いて行きました。
私は、彼の後ろを歩いていて暫くすると、少し胸のあたりにざわつきを感じざるを得ない状況に陥りました。
何故なら、遠くに、白・赤・緑・橙・黄色の配色で作られた看板が見えて来たからです。
「おい、もしかしてお前の言うめちゃくちゃ美味しい中華料理屋って、餃子とかが看板メニューだったりする?」
「え?そうですけど。絶対美味しいんで。」
(いや、知ってるわ!!!)
思い返せば、沖縄で観光した時にタクシーの運転手さんに「この辺で一番美味しい店に連れて行って欲しい」と言うと、嬉しそうに「ここ最近出来たんですよ。何でもあって美味しかったですよ。」と、ガストに連れて行かれたことがあったっけ、とか。高知の四万十市で、「昼飯なんやけど、ここでなかなか食べられへん店が最近オープンしたんやけど、連れてっちゃろうか?」と言われて丸亀製麺に行ったっけ、とか。東京で久しぶりに再会した後輩に、「先輩、隠れ家的イタリアンのお店紹介したいんですけど」と言われて、カプリチョーザに連れて行かれたっけ。とか・・・
色々思い出し過ぎてもう乗っかりました。最後まで乗っかってみました。
「おお!ここの餃子美味しいな!」
「でしょ!?」
(でしょ!?じゃないねん!)
まあ、それも彼のいいところなんですけど。
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