無電解ニッケルメッキ PTFE
無電解ニッケル-リンメッキに1μm以下のPTFE(テフロン)粒子を分散させた、耐摩耗性・摺動性に優れたメッキ皮膜です。複合メッキは、析出金属(ニッケル)のマトリックスの中に微粒子(PTFE)を含む複合皮膜であり、メッキ法を用いた金属複合材料です。
※走査電子顕微鏡写真(黒い斑点は粒子)
無電解ニッケルPTFE複合メッキの特徴
- PTFEの共析により自己潤滑性を有し、低荷重下での摺動性に優れています。
- 非粘着性を示し離型性に優れ、難燃剤などの異物の付着を防ぎます。
- 表面状態はなめらかで、撥水性・撥油性にも優れています。
- 複雑な形状の品物でも、均一なメッキ皮膜が得られます。
発注時のポイント
1.処理可能な素材
鉄及び鉄合金(ナック、STAVAX、42アロイ、コバール)、ステンレス、銅及び銅合金(真ちゅう、エコブラス)
アルファメックでは、難素材であるチタン、チタン合金へのメッキを得意としております。
2. 品物の大きさ、形状
可能な範囲;縦・横・高さの合計が5㎜~500㎜
中心的範囲;縦・横・高さの合計が20㎜~200㎜
アルファメックは精密部品の加工が主で、複雑な形状を得意としており、密着性の良い均一な皮膜をご提供いたします。
3. メッキ膜厚
可能な範囲:1μm~30μm
中心的範囲:2μm~20μm
4. 積層技術
下地に銅メッキ、電気メッキ、無電解ニッケルメッキが可能です。
5. 硬化処理
硬度アップのため無電解ニッケルPTFE複合メッキ後の熱処理(320℃)をおすすめします。
析出状態;300Hv 熱処理後;600Hv
6.用途
摺動性 → 軸受
非粘着性 → 樹脂成型金型 刃物
かじり防止 → 特殊ねじ
撥水性・撥油性 → 精密機械部品 医療機器
7.特性
組成 | ニッケル82~86Wt% リン7~9 Wt%PTFE7~9 Wt%(22~26vol%) |
粒子径 | 1μm以下 |
密度 | 6.7g/c㎡ |
耐熱温度 | 350℃ |
電気抵抗 | 約90μΩ・㎝ |
摩擦係数 | 静摩擦0.27 動摩擦0.11 PTFEメッキ同士 測定速度;200㎜/分 荷重;100g |
磁性 | 非磁性 |
硬度 | 析出時300Hv、熱処理後600Hv |