メッキに関するご質問

硬質クロムメッキの代替として無電解ニッケルメッキを検討している

硬質クロムメッキの処理を施している部品がある。

製品形状が複雑なため、均一な膜厚での処理が出来ず精度を維持できず困っている。

無電解ニッケル・りん合金めっきや、無電解ニッケル・ボロン合金めっきで代用可能か教えてください。

【弊社回答】

硬質クロムメッキはビッカース硬度でHv900~1100に達すると言われております。一方で、無電解ニッケル・りん合金めっきは析出時Hv550±50、熱処理後にHv900~1000と言われております。無電解ニッケル・ボロン合金めっきについては、析出時Hv750±50、熱処理時にHv1000を超えると言われています。

ただし、これはあくまでもメッキ皮膜そのものの硬度であり、耐摩耗性を考える上で一つ重要な要素が抜けております。

その重要な要素とは、膜厚です。硬質クロムメッキはその使用用途によって1μmから100μmまで膜厚を変化させて耐久度を高めます。これを無電解ニッケルメッキに適用すると、8~12μm/hr程度析出に時間がかかるため処理コストは莫大なものとなります。硬質クロムメッキで15~30μm/hrです。

このことから、硬質クロムメッキは複雑な形状であっても治具を工夫し、メッキ後に研磨加工を加えることで利用され続けています。

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