メッキに関するご質問
硬質クロムメッキ上にニッケルメッキは可能か
硬質クロムメッキ上にストライクニッケルメッキか、無電解ニッケルメッキは可能か |
【弊社回答】
クロムメッキ上にストライクニッケルメッキや無電解ニッケルメッキを処理することは不可能です。
明確な理由があります。
それは、硬質クロムメッキの皮膜性質に起因します。クロムは酸素と結合することで緻密で薄い酸化被膜を一瞬で形成します。これがクロムが錆びないとされる理由です。一方で、酸化被膜が強固なことからその上に新たなメッキ皮膜を密着させることは困難とされています。ステンレスがメッキ難素材とされている理由がこれに該当します。ステンレスへメッキするためには、一旦塩酸水溶液で活性化し、この強固な酸化被膜を除去する必要があり、更にストライクニッケルメッキと呼ぶ、塩化ニッケルをベースとした電気ニッケルメッキで薄く全体を覆うことで、ようやく目的のメッキを密着させることが出来ます。これをクロム皮膜に適用すると、塩酸水溶液とストライクニッケルメッキ浴に浸漬した段階で、メッキ皮膜が溶解してしまうのです。
上記の理由から、クロムメッキ上への多種多様なメッキ全てをお断りさせて頂いております。