對馬 秀太

2017年に入社した對馬は、当初どこかあどけなく、頼りない雰囲気すらある青年でした。 めっき会社の多様な工程を転々としながら、硬質クロムめっき、自動車部品ラインの予備脱脂、その他のめっきライン…と場数を踏んでいきます。しかし、彼が“水を得た魚”になる瞬間はここからでした。 最終的に辿り着いたサンドブラストの現場。ここで對馬は、自分の居場所を見つけたように、伸びやかに腕を磨き始めます。

サンドブラストという「職人の現場」

アルファメックは、サンドブラスト処理を起点にした艶消しニッケルクロムめっきの技術で知られています。 めっき会社と聞くと“めっきだけ”をしていると思われがちですが、実際にはその前後工程が品質を大きく左右します。サンドブラスト室は、その品質を司る重要な部隊。その中で對馬は、静かに存在感を高めてきました。

サンドブラストは、砂(メディア)を表面に打ち付けて梨地をつくる手作業の工程。 製品ごとに吹き付け強さや時間を変え、目視で仕上がりを判断する根気と経験が頼りの世界です。 多種多様な製品ごとの条件設定や段取りを覚えるだけでも一苦労。まさに「誰でも簡単にできる仕事ではない」領域です。

對馬は、この難しい領域で自分なりの工夫を積み上げました。 分からないことは片っ端からメモを貼り、付箋と張り紙で囲まれた持ち場はまるで受験生の参考書のよう。その徹底ぶりが、ミスを減らし技術の定着につながりました。

かつて研磨作業で品物を見分けられず、めっきを剥がしてしまった失敗もありました。 しかし彼はそこから見分けの工夫を生み出し、同じ失敗を二度と繰り返していません。 こうした地道な積み上げが、今の彼の成長の土台です。

達成感を感じる瞬間

繁忙期には大量の品物が押し寄せます。段取りと集中力を要求される中で、定時までに仕事をやり切れた日は、心の中で静かにガッツポーズをするそうです。 あの若々しい見た目からは想像できないほど、現場では職人としての集中が光ります。

カイゼン活動への貢献

張り紙や付箋から始まった“自分のための整理術”は、次第に周囲にも良い影響を与え、現在ではカイゼン活動を通して会社全体のレベルアップに貢献する存在となりました。 現場で培った工夫が、組織の成長にまで波及しているのは彼ならではの歩みです。

人柄と素顔

「見た目は永遠の20歳」と言われるほど若々しい對馬ですが、仕事に向き合う姿勢は真面目です。 オフではライブ鑑賞やオーディオ集めを楽しみ、辛い料理をこよなく愛する趣味人の一面もあります。

未来の後輩へのメッセージ

サンドブラストの仕事は簡単ではありません。けれど、對馬のように失敗から学び、知識を積み重ねていけば必ず自分の力になります。 この現場には、工夫を歓迎し、成長を支えてくれる仲間がいます。 自分のペースで腕を磨きながら、ものづくりの深さに触れたい人には、きっと居心地の良い場所になるはずです。


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