日野 涼介

日野は、めっき作業の中でもタコ掛け(ラッキング)を主軸に、現在はブラックボロンおよび銅燻といった色味管理が極めて難しい処理を担当しています。 特にブラックボロンでは、色の均一性が製品価値を大きく左右するため、日々「なぜこの色になったのか」「どうすれば再現できるのか」を考えながら作業に向き合っています。

入社は2018年7月。正社員志望で門を叩き、現場で経験を積んできましたが、彼のキャリアにおいて最も大きな転機となったのが、ブラックボロン工程の担当を任された時期でした。 それまでその工程を支えていた若手社員が退職することとなり、十分な経験がない中で後任として抜擢された日野は、不良発生と納期対応に追われる日々に直面します。 次々と舞い込む案件、思うように止まらない色ムラ、不良の連鎖。精神的にも非常に厳しい局面だったと、今振り返っても思います。

そんな中で大きな転機となったのが、職業能力開発の一環として通った大阪高等鍍金訓練校での学びでした。 座学で得た理論を、目の前の現象に当てはめ、さらに論文として整理する過程で、日野はそれまで現場で「当たり前」とされていた考え方とは逆の方向性に答えがあることに気付きます。 いわばコロンブスの卵のような発想でした。

その気付き以降、ブラックボロンの色ムラは劇的に改善され、品質は安定。 現在では、かつて天才肌と評されていた前任者を大きく上回るレベルで工程を掌握し、ブラックボロンの品質を守る“門番”として、会社の技術を支え続けています。 自ら考え、学び、現場で検証する。その積み重ねが、日野をここまで押し上げました。

プライベートでは、スパルタンレースへの出走や、トリッキングといったアクロバティックなスポーツを趣味としています。 自分に負荷をかけ、限界を試す姿勢は、仕事への向き合い方にも通じるものがあります。

派手さはありませんが、困難な状況から逃げず、理論と現場を行き来しながら答えを掴み取ってきた日野涼介。 彼の存在そのものが、「未経験でも、考え続ければ技術者になれる」という一つの答えだと感じています。


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