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ご褒美

先日気づいたことがあって、自分の子供に限ったことではなくて、「何かが出来たら、何かを買ってあげる」というのは子供の成長を阻害しているのではという話です。

それで調べてみたら、「アンダーマイニング効果(過剰正当化)」と呼ばれるれっきとした心理学用語があって、早い段階でそれに気が付けて本当によかったなと思う内容でした。

過剰正当化効果(かじょうせいとうかこうか、英語overjustification effect)は、金銭や賞品などの外発的インセンティブが、タスクを実行する人の内発的動機づけを期待に反して低下させるものである。アンダーマイニング効果(英語undermining effect)とも呼ばれる[1]。過剰正当化は、「モチベーションのクラウドアウト」として知られている現象に説明を付けるものである。以前は報われなかった活動に対して報奨を提供することの全体的な効果は、外発的動機への移行と既存の内発的動機づけの弱体化である。報酬が提供されなくなると、その活動への関心は失われる。その後も内発的動機づけは戻らず、活動を維持する動機として外発的報酬を継続的に提供されなければならなくなる[2]
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E5%89%B0%E6%AD%A3%E5%BD%93%E5%8C%96%E5%8A%B9%E6%9E%9C より引用

例えば、子供がお絵かきが好きで上手に描けたものを、おじいちゃんが「お小遣いをあげるからワシの似顔絵を描いてくれ」と言って報酬を与えたら、次第に絵を描かなくなって辞めてしまうという現象です。目的そのものがお金をもらうことになってしまい、達成感など自分から動機付けが出来なくなるからだそうです。

むちゃくちゃ揉めました

息子がサッカーをやり始めて暫く経つと試合が組まれるようになり、そのたびに点を決めたら何か買ってほしいとか、焼肉を食べに行きたいと言うようになりました。

私は強くそういう態度を取ることに懸念を持ったため、息子に対して少しきつめに言いました。

「そんな、何か買ってほしいとか、ごちそうが食べたいとか、サッカーで点を決められたら叶えて欲しいって約束しても、きっとゴールは決められない。ゴールを決められない言い訳に、〇〇なんていらない。焼肉なんて食べたくない。って言えるからや。ご褒美っていうのは、お父さんやお母さんが、お前が前よりも頑張った、嬉しいっていう気持ちが出て来て初めて与えたいって思うもんなんや。じゃあ、ゴール決めなかったら一生何も買わないし、焼肉も連れて行かないって言われたらもうサッカーやりたくなくなるやろ?そんな気持ちでサッカーやるんやったらもう友達にお別れ言ってこい。友達はゴール決めたらなんか買ってもらうなんてお父さんやお母さんと約束してるって言ってるか?お前が活躍しなかったら、俺らに対してもっといいもの買う約束してやってくださいよって言ってくるぞ。そんなしょうもないこと言うな。がんばれ。がんばって来てくれ。」

それでもなんとなく結果が出ないまま、プライドがあるのかないのか、我慢してサッカーを続けていました。

嬉しい便りが

私が出張でサッカーの試合に送り届けるしか出来なかった先日、出張先に妻からLINEでトロフィーを持つ息子の写真が送られてきたのです。出場していたリーグは上手な子たちのチームのリーグではなかったものの、初めて頑張ってくれて結果を出した息子が誇らしいなと思い、でもここでどう振舞ってやるのが一番いいのか考えました。

そして、家に帰り息子を見つけるなり、「よくやったな」と頭を撫でてあげました。物凄い嬉しそうな顔をして、「うん」とだけ返してきたのには少しほろりとなりました。

そこで息子も、「なんか買ってちょうだい」と言わなかったのが本当に嬉しかった。

あー、褒めて貰えるのが何より嬉しいんだなと。そういう気持ちになってくれたのが親として一番うれしかったです。

それで、晩飯に焼肉に連れて行きました。本当においしかったです。

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