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鉄の腐食と表面粗さの関係
7月を過ぎて一気に暑くなってきました。メッキ屋にとって、厳しい時期に差し掛かってきました。
何よりも硬質クロムやニッケルはメッキするためにボイラーでメッキ浴を温めているため現場は暑く、湿度も高いので不快指数がかなり高い状態で作業しなければなりません。
そして、金属が錆びるとメッキもつかなくなるのですが、こういった高温多湿の環境になるとすぐに錆びてしまいます。
金属が錆びる要因
- 水に濡れている、もしくは湿度が高い
- pHが10未満、もしくはもっと低い(酸性)
- 塩化物イオンの付着がある(人の汗や塩気が付着している)
- 高温
- 表面が粗い
上から4つ目までは何となく想像がつくと思います。夏の海岸沿いに車やバイクを停めていたら錆びてしまうのは経験上誰もが知っていることです。
ただ、5番については私もこの業界に入るまで全く知りませんでした。下の写真を見て頂ければ分かると思うのですが、同じ鉄鋼素材でも加工している側としていない側で腐食の度合いが全く異なるんです。この材料は2か月ほど室内に放置したものです。
表面が粗いと、凹凸部分に水分や塩化物イオンが溜まり易くなり、孔食と呼ばれる現象が起こって錆が拡がっていくというわけです。
金属の表面処理も奥が深くて楽しいですね。
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