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アナログレコードとπ
アナログレコードが1986年以来初めてCDの売り上げを上回ったというニュースに驚きました。 https://www.riaa.com/wp-content/uploads/2020/09/Mid-Year-2020-RIAA-Revenue-Statistics.pdf
アナログレコードの魅力は一体何なのでしょうか。
アナログレコードの想い出
生れて始めてレコードを体験したのは、祖母の家にレコードプレイヤーとレコードがあったからで、流してみると少しくぐもった、カセットテープで録音した音楽を聴いている様な、CDの方が音はクリアで聞き取りやすいなという印象でした。子どもだったので、DJプレイの様にレコードをこすってキュキュッとスクラッチ音を鳴らしているところを見つかって怒られて止めさせられましたが。
私は、今の時代レコードも全部パソコンにデータとして取り入れることが出来るので、一枚ずつ載せてそこまで音質が良いわけじゃないアナログレコードに拘ることはないと言いました。
すると祖母は、自分が買い集めて来たレコードには愛着や思い出があるし、なにより気に入ってるから手放したくないと言うのです。という訳で、今もレコードプレイヤーを買い換えながら使っています。
デジタルに無いアナログの良さとは
断言できないけれども感覚的に伝えられる何かだと思うのですが、そもそもデジタルは数列で表せる電子データの集まりですよね。アナログは音の波形をそのまま記録媒体に落とし込んでいるので、その波形を完璧に数字だけで再現できるかと言えば不可能でしょう。人間が感知できるレベルで可能であっても、厳密には確かな差があるはずです。
この差を感受性の豊かな人が、アナログの良さとして感じ取り、長年愛し続け、34年の時を経てCDの売り上げを上回ってしまったということなのでしょうか。
私は、最近ある言葉を耳にし、それが人類とそれを超越した存在との戦いなのではという気がして仕方が無いのです。
円周率はこの世にある全ての数列が含まれている
有名な寓話でしょうが、円周率に終わりが無く延々に循環しない数列だと仮定するならばこのようなことがあるかもしれません。
人智が及ばない、それを超越した存在の手のひらの上で我々はオリジナリティを追求しているということなのでしょうか。
アナログは、数列に落とし込めない、人間の営みをリアルに映し出してくれる唯一の希望であり、円周率という人間が逃れられないものからあがいて生きていく証明なのかもしれないと思った次第であります。
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