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ナイナイのお見合い大作戦!(TBS)が好きすぎる問題
世の中のテレビ番組を、面白いものと面白くないものとに分類した時、間違いなく面白いものに分類されるのが、表題に掲げた「ナイナイのお見合い大作戦!」であることは揺ぎ無いと私は思います。この番組がいかに優れているか解説したいと思います。そんなこと分かってるわ、と思う方はご容赦頂ければ幸いです。
この番組は、2014年4月8日から放送され始め、今年で5年目に入ります。2011年から放送されていたモテモテナインティナインの1コーナーであった時から数えると8年目になっています。もっと遡ると島田紳助がやっていた1993年の番組にたどり着きます。所謂お見合い番組で、全国の嫁不足に悩む自治体が町を挙げて婚活パーティーを開催し、それをテレビ番組として応募女性の募集やタレントをイベントの盛り上げ役として派遣することで毎回ビッグイベントとして成立させています。
流れとしては、開催候補地決定で男性紹介ビデオが番組の最後に流され、花嫁候補の募集がスタートします。そして書類選考の末に1泊2日ないしは2泊3日でお見合いが開催され、その1~2か月後に放送され、以降その繰り返しとなります。地元の商工会議所や市区町村そのものが主催していて、名産品の紹介や子育てなど福祉面のPRも同時に行われます。花嫁候補の中には複数回参加する方もいて、この人は前も観た!今回は上手くいって良かった!という楽しみ方もできます。開催地は本当に全国津々浦々でありながら、定期的に自衛隊スペシャルがあります。見ていると、田舎になればなるほど参加女性は少なくなり、大都市近郊になればなるほど参加女性は増え、美しい方も増えます。
番組の流れはシンプルで、①歓迎セレモニー②お見合い回転寿司③フリータイム(男性自己紹介)④お宅訪問⑤フリータイム(最終PR)⑥告白タイム、となっています。
- 歓迎セレモニー
町を挙げて花嫁を迎え入れる歓迎セレモニーが行われる。バスから降りた女性たちは、この歓迎でさながらパレードの様な気分のまま地元の学校の体育館へ移動する。ほとんどの市区町村で、太鼓が叩かれている。 - お見合い回転寿司
男性が椅子に座り、女性がその周りを順番に回って短時間2ショットでトーク。女性から「〇〇さんに会いにきました。」など、後のフリータイムに繋げるきっかけとなるアクションが起こされる場合が多い。コミュニケーション能力が低いと、一瞬で終わってしまい記憶にも残らない。 - フリータイム(男性自己紹介)
お見合い回転寿司の後は、その場でフリータイムとなり、お目当ての異性との交流を行う場となる。ここで各男性は自分のブースを持たされていて、模造紙に自己PRを書き込み、経歴や趣味を説明する。ここでは人気男性に女性の輪が出来て、さっそく格差が生まれ始める。世話役のタレントが、事前アンケートで気になっている異性の名前を何人か聞いているので、番組的に面白そうな人を捕まえて、その異性と会話するように促す。また、特技のある男性にはショータイムが設けられる。最近ではバルーンアートだったり、ボディービルだったり、完全な打ち上げ花火にはなるのだが、そのショーによって固定化されていた女性の輪が解消されるため、意外と考えられているなと感じられる。 - お宅訪問
興味がある男性の自宅に女性が訪問するコーナー。お見合いだから家を見るという至極当然のコーナーながら、男性の家族構成、姑になる人のキャラクター、家の大きさ(資産)が測れる上に、フリータイムと違い、長時間自己PR出来るため、狙っている意中の男性の家に行くかどうかは重要な決め手となる。ここでは家族の、息子に対する評価がテーブルの上に載せられた料理の豪華さと量で測られてしまう。豪華な料理があっても女性がだれも来ないことや、逆に意外とたくさん来た時にパックの寿司がそのまま並べられているなど、場当たり感が物凄いなど、各家庭の様子がこの企画であからさまにバレてしまう。 - フリータイム(最終PR)
お宅訪問後、男性も女性も初日の感想をタレントからインタビューされる。その際、心変わりしていないかどうかを確認される。それを踏まえて、翌日の午前中にフリータイムが大きな広場で開催される。ここでは意中の異性を捕まえて、円座で話したり2ショットで深い話をしたり、この瞬間で勝負が決まる。過去、この場で告白をしてしまう女性がいたり、自分が喋った後も男性から見える場所で監視する人がいるなど、なりふり構わないところが人間味溢れていて素晴らしい。ここでモテる男性からは、複数人から少数に絞って2ショットを希望するなど、リアルな選別が行われる。「将来子どもは二人欲しい」などと口にするだけで、「将来についての深い話を交わすことが出来た」とナレーションが入る。そんなに深いか?とツッコミを入れるのは、この番組の視聴者としては低レベルなので注意が必要だ。 - 告白タイム
男性は花束をもって告白したい女性の前に出向き、告白をする。意中の女性が被った場合は「ちょっと待った!」宣言で割って入り、複数人から女性が男性を選ぶイベントが発生する。番組的にはこの展開が一番おいしいので、カップル成立よりもこのイベントを発生させる方向に持っていかせる傾向がある。女性からの逆告白スペシャルも稀に行われる。この瞬間、ノーマークだったカップルが成立するので最後の最後に一挙放送として告白シーンが流される。私はこの告白シーン一挙放送が大好きだ。 - その後・・・
実際に結婚し、子どもを授かるといったケースもあり、結婚式の様子や報告写真がたびたび本放送中に流される。毎回同じ人たちが特集されがちなのだが、たった二日のイベントでカップルになり、結婚するケースが少ないながらもあるというところから、このイベントへの参加者の本気度が感じられる。
それでは、この番組が傑作である点をご説明させて頂きます。
- 素人であるが故に、お約束が通用しない
素人が出るので、行動が読めないのです。お気に入りの女性をリサーチして、お膳立てしたり、ライバルに競争心を煽ったりはするのですが、結局決めるのは本人なので、想像を超える選択が視聴者を驚かせる場面に多々巡り合えます。もちろん昨今のSNS隆盛から、ヤラセやサクラはすぐにバレるので、この番組で行われた過去の過ちもずーっとネットで検索したら出てきます。例えば、お気に入りの女性がいないのに告白しないで終わるのはダメだと言われ、仕方なく告白した男性がいたという話が出てきます。 - 結婚観がモロに出る
男性が女性を選ぶ条件は、ほぼ容姿で間違いありません。選べるのにそっちを選ぶか!とかそういう、蓼食う虫も好き好きみたいなことがよくあります。女性の場合、容姿と経済力の二手に分かれる傾向があります。容姿が優れた男性に最初はたくさんの女性が群がるのですが、徐々に競争や食い違いに気付く女性が出てきて、最終的に数が絞られてくるといった印象です。一方で、経済力は容姿を凌駕する破壊力があるなと思います。御曹司もしくは社長スペシャルなどでは、女性方の本気が観られて非常に面白かったです。 - ダークホースは子持ち
基本的に一度結婚かもしくは恋愛を経験しているので、他の参加者とはレベルが違います。異性との距離の詰め方や、会話における間の置き方などです。「子持ち」というハンディキャップが最大の争点になるような会話の持って行き方にも、ズルいなと思わせる反面、他の人との本気度の違いかと納得させられます。「子持ちは気になるか?」と聞かれた男性は、好感度を気にして「全く問題ありません」と答えます。そもそもその場に子どもを連れてきていないので、子どもに会わないと問題あるかどうか判断出来ないのですが、この辺は棚に置かれて話が進むケースがほとんどです。でも、そんなところも含めて好きです。 - 人を好きになる純粋な気持ちに感動できる
人を好きになるには、本能的に好きになり、論理的に好きになり、相互的に好きになるプロセスがあると思いますが、最初の写真やVTRを見た瞬間から恋が始まっていると考えると、この二日間は二人の恋の集大成なんだなと勝手に考えてしまうわけです。あれだけ大量のお見合い写真の中から、何人か候補を立てて会いに行き(もしくは来てもらい)競争の中で選び抜くわけです。カップルになれて涙を流す人や、振られて怒り出す人、千差万別ですがみんな本気なんだなと改めて感じさせられ、こっちも感動させられてしまいます。 - キャラクターの多彩さこそが演出
こういった番組に名前・年齢・出身地・職業を明かして出演している人に敬意を払わなければならないと思います。何せ、あだ名の付け方が適当過ぎて、「おもんない大学のサークルかの新歓コンパか!」と思わせるような状況。例えば趣味が三つ四つある人で、他に特徴が無かったら「好奇心旺盛OL」とか、職場がこんにゃく工場なら「こんにゃく男子」など私だったら怒りますね。面白くなかったら。でも、他人事なので笑えます。
テレビ番組の中でも特に好きなナイナイのお見合い大作戦!について語らせて頂きました。素人を使い、素人をいかに感情的にさせるかに力を入れているこの番組、少しでも長く続くことを祈っております。
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