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中耳炎と診断されて(体験談)

今年の夏、中耳炎に罹り右耳が聞こえなくなりました。

具体的に言うと、耳栓をずっとしているような感覚で、音量が半分ぐらいになってしまった感覚です。

音量が半分の世界

「半分聞こえてるなら大丈夫じゃない?」

そう思われるかもしれません。私も中学生時代に右耳が聞こえない先生がいらっしゃったので、そういう風に考えていました。確かに聞こえずらそうにされていたのですが、全く聞こえないわけではないのでそんなに困ることはないだろうとも思っていました。

ところがどっこいです。もう、ハッキリ言って聞こえなさ過ぎてパニックになります。問題の本質は、聞こえるか聞こえないかではなくて、聞こえているけど何言われてるかはっきり分からないという点です。

家でくつろいでいる時に、遠くからボソッと話しかけられても、一回目で聞き取るためには常に集中していなければならず、テレビなんて観ていようものなら、全く何を言われてるか分かりません。

雑踏や、弊社の様な排風機の音が常に鳴っている現場にいる時なんて、2メートル離れたらよっぽど声を張り上げないと聞こえない状況です。

自分の声の反響がうっとおしい

耳が詰まっていると、自分の声が頭の中で反響してくぐもった感じで聞こえます。そのせいで、自分が今出している声量がどの程度なのか分からないし、かといって大声を出すと頭の中で反響してうるさいので、相手に届く最適な音量が分からないのです。

その結果、どうしても相手から「え?」と聞き返される場面が多くなり、嫌になります。

耳が聞こえない。耳が痛い。そうだ、耳鼻咽喉科へ行こう!

そう思ったのも、とにかく耳だけじゃなくて首の後ろも物凄い痛みが出てきて、これ以上は耐えられないという状況になったので、病院に行くことになりました。とは言ってもその日は日曜日で、開いてる診療所は中央急病診療所だけでした。

「あなたの症状は、外耳炎です。外耳炎で耳の壁が腫れているので聞こえにくいのです。」

そういわれて頂いた点耳薬と言われる目薬みたいなものを毎日2~3回耳に垂らしていたのですが、一向に良くなりません。いや、左耳は改善して全く痛みがなくなったのですが、右耳がどうも悪くなっているとしか言いようがないので、もう一度近所の耳鼻咽喉科へ行くことになりました。

「外耳炎は治っています。点耳薬も必要ありません。というより、中耳炎ですよ。そりゃ痛いはずだ。」

やっぱりそうだったんですか・・・。やり場のない怒りと、あきらめが混じった感覚で受け止めました。

一応聴力検査が必要と言うことで、密室に入れられて聴力検査を行いました。

左耳と右耳を、健康診断で行うよりももっとたくさんの種類の音で行い、骨伝導を使ったものでも調べてもらいました。結果は音は聞こえているねということで、やっぱり中耳炎の治療が必要ですと診断を受けました。

4日分の薬をもらい、投薬治療を続けていますが一向に右耳のつまりが治まらないのでもう一度診察してもらいに行きました。

いきなり出てくる120mmぐらいありそうな細いステンレスの管。

フラッシュバックする幼少期の記憶。

余りの痛さと恐怖で、耳鼻咽喉科の先生の手に負えず、それでも治療をしなければならないので父親が仕事を休んで押さえつけにくるという事態になった4歳ごろの私・・・。

大人になっても痛いし怖いし辛かったです

子どもの頃と全く同じ恐怖は、「これ、頭蓋骨までえぐられてるんちゃうか」という本能的な何かでした。

そして、耳から空気をチューブで吸い込み、鼓膜の中にたまったリンパ液を出すという物理的な治療で、とにかく苦痛を伴いました。

しかし、そのおかげで耳が9割ほど聞こえる様になりました。

老後について考えてみました

耳が聞こえにくい、目が見えにくい、身体が思ったように動かしにくいなど、完全に「出来ない」ではなくて部分的に機能が衰えることへの不安を感じました。

私の私見ですが、恐らく他人からは完全に聞こえない、見えない、動かせなくならないと支えてもらえないんです。

機能不全ではなく、機能不完全になったとき、自助努力を少なからず求められて、ちょっと能力が劣った存在として扱われるのだと理解しました。

何を言っても「え?」と聞き返してくる人にイラつくのは、「集中して聞こうとしてくれたら聞き取れてたやろ」と思うからでしょう。

聞こえないふりをしているうちに、本当にどんどん聞こえなくなって行くのかもしれません。

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