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ショベルカーと聞くと違和感

先日大阪市生野区で重機に子どもが轢かれたという痛ましいニュースが飛び込んできました。

その重機のことをニュースでは「ショベルカー」と呼んでいたのですが、正式名称ではありません。正式名称は「ホイールローダ」と呼びます。バケットがついた車のことで、そのバケットで積み込み(ローディング)するのでそういう名前なんです。

佐賀新聞Liveより転載 

ショベルカーと言われると、下の重機を連想される方が多いと思います。これは、正式名称は「バックホウ」といい、「ユンボ」の通称がよく聞くのではないかなと思います。

↑google画像検索から転載

ここで私の違和感に気づいてくださった方、大変勘がいいと思います。

ショベルカーに轢かれたと聞かれて、下のユンボを連想した人が多いと思うのです。映像を見て、やっとタイヤがついた重機が道路を走っていたのねと理解出来たのではないでしょうか。つまり何が言いたいかというと、道路をキャタピラ(履帯)で走行して子どもを轢いたとなると、私は背筋が凍ったわけなんです。いずれにせよホイールローダであってももちろん死人が出たことには変わりがありませんし、本当に怖いことなのですが、低速で動き出すキャタピラの下敷きになると考えただけでもゾッとするわけです。

だから、ニュースで真実を分かりやすく伝えたいのであれば、ショベルカーと使うべきではなかったのです。

そして、今回の事件のもう一つの側面を私なりに考察したいと思います。

容疑者は、信号が赤に変わったので止まろうと思いブレーキを踏もうとしたが間違えてアクセルを踏んでしまったと供述しています。

コマツ穴掘りドットコムより転載

上の写真は今回事故を起こした車両と同じもののフットペダルです。オルガン式インチングペダルと呼ばれるものです。ペダルが3つ付いていますが、左のペダルはクラッチペダルではなくてブレーキなんです。真ん中のペダルもブレーキです。そして、一番右側がアクセルペダルなんです。

ホイールローダは走って、前についているバケットに砂利などを入れて、それを持ち上げてから走ってダンプトラックのベッセルにその砂利を積み込む重機です。走ることと、バケットの上げ下げを行える構造になっています。

走行中は、アクセルとブレーキを右足で踏みかえて使う乗用車と同じ仕組みで運転できます。

積み込み時は、アクセルを踏み込むことでバケットを上げるスピードやパワーを上げることが出来ます。その際、左足でブレーキペダルを踏んでよりトルクがかかるように調整するのです。

完全な運転手のミスではあるのですが、そういった構造上かなり注意して運転しないと、ブレーキが二つもある車の操作は間違いを犯す可能性があるということです。

ニュースではこの辺りも詳しく解説して欲しかった、元建機メーカーの社員でした。

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