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公文式を退会させられた日

今息子が6歳の小学校1年生、サッカーや水泳以外にそろばんも習い始めるなど、いよいよ頭を使ったフェーズに差し掛かっています。思い返せば30年以上前、5歳から公文式の門をたたき勉学に勤しんだ学生時代をつい先日の様に思い出しますが、思い出したところ大変なことを思い出しました。

公文式の算数

公文式を5歳で始めた私は、数の数え方から始まり、四則演算に至るまで算数の基礎をほぼ公文式で教わりました。

公文式は、計算ドリルのようにひたすら計算問題がずらっと並んだプリントを解いて、それを教室にいる先生が赤ペンで丸つけをしてくれて、一問でも間違えばまたそのプリントをやり直し、さらにまた一問でも間違えば三回まで同じプリントをやり直すという学習方法で、教室に行って決められた枚数を解くのと、自宅にプリントを持ち帰って宿題としてやることを延々と繰り返しながら徐々にレベルの高い単元を学習していくので、苦手が潰せる仕組みになっています。

これの良かったところは、大学受験まで一貫してどの教科でも問題演習と、間違えたところを繰り返しやり直すという単純明快なある種作業の様な学習方法が最も自分にとってなじみが合って効率が最大化されると身をもって知っていたため、大学受験を無事希望通り終えることが出来ました。

ある日少年は気付いてしまった

あれは小学校2年生ぐらいの時でした。家で公文のプリントを解かないとスーパーファミコンをやらせてもらえないので部屋にこもって宿題をこなしていていつもと同じようにある気持ちが芽生えていました。

「同じことの繰り返しで刑務作業みたいだ・・・」

机の引き出しには、捨てずに取っておいた丸つけが終わった過去のプリントが・・・

その日の少年は冴えていたので、丸つけの終わったプリントの答えを丸写しにして宿題を終わらせた。いつもの何倍ものスピードで宿題を終えた自分を訝しげに見た母親は、次の公文式の日に全てを悟って私にこう言った。

「もう、あんたはこれをやらせてもあかんと思った。ずる賢いのは良いことじゃないよ。もう辞めてもらいます。」

(素直に嬉しいけど、確実に悪いことしたから辞めさせられる。気まずい。)

公文式の先生は寂しそうな顔をしていた

5歳から通った公文式の教室。

母親は先生に言った。

「うちの子、丸つけしてもらったプリントを番号順に綴って解答集を作っていて、それを2回目の時に丸写ししてます。この仕組みでズルが出来るって分かってしまった以上、うちの子はもう続けてもまたこれを繰り返すと思うので、残念ですが辞めさせます。今までお世話になりました。」

先生は、人間性まで教えられなかったことを後悔し、苦悶の表情を浮かべていた。

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