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木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのかを読んで

「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」 著:増田俊也 出版:新潮社

硬質クロムと無電解ニッケルのアルファメックです。お世話になっております。

この本を読み終わったとき(文庫本2冊で1,179ページ)、真実を紡ぎ出すために膨大な資料を積み重ねて多角的に木村政彦とそのライフイベントを照らしていった筆者の根性にただただ感動しました。格闘技ファンなら一度は聞いたことがある木村政彦の名前。実績といえば戦前戦後併せて13年間全日本選手権のタイトルを保持し、天覧試合を制し、ブラジルでエリオ・グレイシーと闘い腕を折り、力道山と闘って惨敗したことが周知の事実としてあります。そこに至った怪物的な強さと練習量と勝利への執念、疑惑の力道山戦を事細かく描いており、戦後格闘技史を読み解くのに大変参考になります。

この本を読むと、武道としての柔道とスポーツとしての講道館柔道、武道としての総合格闘技とショーとしてのプロレスリングなど、我々が常々思い続けたことが問われる場面が多々あります。

とにかくお勧めの作品です。

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