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子育て特集「逆上がりとサンタクロース」

私自身、子供の頃運動神経が良い方だったので、誰に教わるでもなく幼稚園児の頃に逆上がりは当たり前に出来ていました。しかしながら、5歳で年長組さんの我が家の長男坊は逆上がりが出来ず、何カ月ももがき苦しんでいました。男親として何とかしてやりたいと思ったのですが、自然に出来てしまった人間が出来ない人間に対して何かのやり方、ここでは逆上がりのやり方を教えるというのは大変な作業で、非言語と言語の狭間に生きている幼児へどうやったら適切にコツをつかませるかという体験は、よく考えれば色んな場面で今後も生きて行くのではないかと、そんな前向きさすら覚えさせる難易度の高さでした。

逆上がりに詰め込まれた運動のエッセンシャル

逆上がりはどんな子供でも学校から「やれ!」と強制的に取り組まされる、運動音痴の子たちからすると地獄の通過儀礼なのですが、コツを掴めばまず間違いなく筋力などを必要とせず出来るため、発達時期の子供はなるべく早い段階で会得すべき技能であるのです。知らんけど。

我が家の長男坊は、足腰が異常に強く、ふくらはぎは他の子供と比較すると倍近くに膨れ上がり、服を脱がせると腹筋はバッキバキに割れているので、逆上がりが出来ないということを妻から聞いた時にわかに信じられませんでした。

実際にやっているところを見せてもらったところ、鉄棒を掴んで足を頭の方向に蹴り上げる動作が出来ず、前方に行き切ってしまうことで、腕が伸びてしまって凄い遠いところでピョンと飛んでいるだけでした。

私は何度も公園で、「ええか?胸を鉄棒に引き付けて、その瞬間に足が鉄棒の上に来るように蹴り上げてみ!」と説明し、実践し、やらせようとするのですが、上手くいきませんでした。

ここで、自分の身体の動かし方を、言語化するという行為が上手く出来ない、物凄い微妙な発達段階にいるんだなと、とても感慨深い思いになりました。

星一徹のように、飛雄馬へスパルタンな指導を繰り広げ、泣いて逆上がりする息子を鬼の形相で仁王立ちし、出来るまで家に帰って来てはいけないと檄を飛ばすことは出来ませんでしたが、その日泥だらけの息子は「あともうちょっとだ・・・」とかなり思いつめた顔で風呂に浸かり、泥の様に眠りにつきました。

サンタさんへ、逆上がりが出来たよ。だから電車のおもちゃちょうだいね。

昨日帰宅すると「逆上がり出来てん!!」と急に報告されて、「え?どうやって?」と返すとその時の動画を送って来てくれて、見てみると当たり前ですが綺麗に足を蹴り上げていました。

実は、息子に対して「サンタさんに何もらいたい?」と聞いた時に「電車のおもちゃ」と言われていたので、「うーん、サンタさんは逆上がり出来る子が好きって知ってる?逆上がりやってるところの動画を送ったら、欲しいものくれるねんけどクリスマスまでに出来る様になるかな?」とイケズをしていました。

それに対して自分は知りませんでしたが、毎日のように「逆上がり・・・クリスマスまでに・・・・」と念仏のように唱えながら生活をしていた様で、それが突如結実したというわけです。

人参ぶら下げたら走るタイプに育っているのは間違いないのですが、競争を是としない教育現場では浮いてしまうかもしれませんが、事実として社会に出て競争が出来ない子は淘汰されてしまいます。

原体験は逆上がりかもしれませんが、今後何かを得たいと思った時に頑張れる子に育ってくれたらいいなと思いました。

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