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ChatGPTにスピーチを書かせるなら0からではなく1以上から書かせよう

2025年は生成AI元年と言われておりますが、大きな会合へ行くと「このスピーチはChatGPTに原稿を考えさせました」と仰る方がちらほら現れだしたなという印象です。私自身、生成AIの凄さは身をもって体験しているので、いろんな分野に活用していきたいと積極的かつ肯定的な立場ではあるのですが、部分的に否定したい立場でいるのも事実です。

生成AIに0から創らせるのは難しい

例えば、小学校からの幼馴染の結婚式に出席するとします。AIにスピーチを考えさせてみようとして入力します。

「小学校からの幼馴染の結婚式で友人代表スピーチをすることになりました。スピーチの原稿を1500語で考えてください。」


友人代表スピーチ原稿(約1500字)

本日は、このような素晴らしい場で友人代表としてスピーチをさせていただけること、大変光栄に思います。ご両家、ご親族の皆さま、そしてご来賓の皆さま、本日は誠におめでとうございます。

新郎〇〇くんとは、小学校からの幼馴染です。気付けばもう20年以上の付き合いになります。思い返せば、小さな頃から〇〇くんはいつも明るくて、クラスの中心にいるような存在でした。運動会では全力で走り、学芸会では全力でふざけ、いつでも周りを笑顔にしてくれる、そんな男の子でした。

特に印象に残っているのは、小学校の卒業式のことです。卒業アルバムの最後のページに、お互い「ずっと友達でいよう」と約束の言葉を書き合ったんです。あの時の純粋な気持ちは、今でも私の心に残っていますし、こうして今日まで友情が続いていることが、とても誇らしいです。

中学、高校と進むにつれ、部活や勉強にそれぞれ忙しくなりましたが、〇〇くんとは不思議と距離が離れることはありませんでした。大人になってからは、仕事や生活で会う頻度は減りましたが、久しぶりに会えばあの頃と変わらない笑顔で迎えてくれる、そんな安心感のある存在です。

そんな〇〇くんが、「結婚するんだ」と報告してくれた日のことは、今でも鮮明に覚えています。電話越しの声がいつもより少し照れくさそうで、それでも幸せそうで、「本当に良かったなぁ」と心から思いました。

そして今日、こうして素敵なお相手の〇〇さんと並んでいる姿を見て、本当に感慨深い気持ちです。〇〇さん、〇〇くんは昔から、真っ直ぐで、優しくて、ちょっとおっちょこちょいなところもありますが、本当に心の温かい男です。きっと〇〇さんのことも、家族のことも、全力で守ってくれると思います。どうかこれからも、そんな〇〇くんを温かく見守って、支えてあげてください。

人生は、嬉しいこともあれば、辛いこと、悩むこともきっとあります。でも、二人なら大丈夫。どんな時もお互いを信じ合い、支え合って、素敵な家庭を築いていってくれると信じています。

最後になりますが、今日という日が、お二人にとって、そしてご両家にとって、かけがえのない幸せな一日となりますよう、心から願っております。

本日は本当におめでとうございます。


これを読んでも何もグッと来ないですよね。嘘なんで。読んだ時に嘘なので全く感情がこもらないと思います。

これに対して、少し手を加えましょう。


プロンプト入力

#依頼 結婚式のスピーチ原稿を作ってほしい #自分について @大阪出身の38歳で名前は山田 @新郎とは小学校からの幼馴染 @小中高と同じ学校で野球部に所属し、バッテリーを組んでいた。自分はキャッチャー。 #新郎について @名前は田中 @自分とほとんど経歴で、ピッチャーをしていた @大学では東京六大学リーグで活躍 @現在は証券会社で若手課長として活躍している #新郎とのエピソード @小学校の時、大げんかをして口をきかなくなったことがあったが、試合ではバッテリーを組まなければならず、その試合で散々な負け方をした時にお互いのことを信頼し合ってこそだと気付かされ、泣きながら握手し次の試合で完封勝利を勝ち取った経験がある @中学校の時、スランプに陥った新郎がやけくそになって煙草を吸っていたのを見つけ、本気で殴ったら歯が折れた。その後、スランプを克服したが歯は今も折れたままでトレードマークになっている。 @高校の時、甲子園を賭けた決勝で勝てたらマネージャーが付き合ってくれると言ってくれたが、負けたので付き合えず二人で泣いた。 @社会人になってからは、毎年地元で集まり飲みに行く間柄 #新婦について @新婦はとてもかわいくてうらやましい @芸能人で言うと、売れない地下アイドルを少し可愛くした感じ #アウトプット @1500語 @友人スピーチに相応しい話し方 @ユーモアたっぷり


書き直したスピーチ(1500語)

皆さん、こんにちは。本日は新郎・田中くん、新婦・中田さん、ご結婚本当におめでとうございます。 ただいまご紹介に預かりました、山田と申します。新郎とは、小学校からの腐れ縁…いや、親友でして、こうして大切な日にスピーチの機会をいただき、本当に光栄に思っております。

さて、田中くんと僕は小学校から高校までずっと一緒で、野球部ではバッテリーを組んでおりました。僕がキャッチャー、田中がピッチャー。気心知れた仲…と言いたいところですが、実は小学校の頃、めちゃくちゃケンカしたことがあるんです。

当時はまだ子供やったんで、しょうもないことで言い合いになって「もう一生しゃべらん!」ってお互い決め込んだんですけど、試合の日は容赦ないんですよね。監督に「お前らバッテリーやろ、試合出ろ」って。しゃーなしでグラウンド立ったものの、案の定ボロボロ。試合にならんくて、惨敗。 でもその帰り道、二人で泣きながら「やっぱりお互い信じなあかんな」って握手したんですよ。あの時の泥まみれの手の感触、今でも覚えてます。あれが、僕らの絆の原点やと思ってます。

中学では田中くん、ピッチャーとしてスランプに陥りましてね。あの時は見てられへんかった。で、ある日、隠れてタバコ吸ってるの見つけたんです。 もう、怒りが爆発して思わず殴ったんですけど、そしたら見事に前歯がポロッと…。 すまん、田中。あれ、今でも夢に見るわ。でもな、あれから田中はスランプ脱出してエースとして復活した。まぁ、その代わり歯は折れたままやけど…。でも、その折れた歯がな、今ではトレードマークや。今日も綺麗なスーツ着てるけど、やっぱりあの前歯を見ると、「あぁ、田中やな」ってホッとします。あの時の前歯、まだ財布に入れて持ち歩いてます。

高校では、甲子園をかけた決勝まで行ったんです。あの時、マネージャーが「勝ったら付き合ってあげる」って言うてくれたんです。もう二人で鼻息荒くして「絶対勝つ!」って意気込んだんですけど…負けました。試合後、二人して泣き崩れたな。マネージャーもお前と付き合う気満々やったけど、負けたから付き合われへんようになって、あの後荒れてたっけ。

そんな青春時代を共に過ごして、大学、社会人になってからも、僕らは毎年地元で集まって飲みに行ってます。田中は大学では東京六大学リーグで活躍して、その後は証券会社でバリバリ仕事して、今や若手課長。ほんまに立派になったと思います。 でも、飲みに行ったらやっぱりあの頃の前歯のまま。酔うたら「お前がキャッヒャーでほんまによかった」って何回も言うてくれるんです。こっちはそのたびに「はよ前歯入れろ」って返すんですけどね。

そして、今日お会いした新婦・中田さん。田中にはもったいないくらい、ほんまに可愛らしいお嫁さんです。 例えるなら…そうですね、地下アイドルにほんのちょっと毛が生えた、そんな感じでしょうか。 田中、ほんまによう捕まえたな。お前の女房役は、本日をもってお譲りさせて頂きます。

これから先、二人でいろんなことがあると思います。嬉しいことも、しんどいことも。でも田中、思い出してや。どんなにケンカしても、信じ合ったらまた笑える。お前と俺はそうやってやってきたやろ? 中田さんとなら、絶対大丈夫や。

最後になりましたが、お二人の末永い幸せと、今日お集まりの皆さまのご多幸を祈りまして、僕のスピーチとさせていただきます。

田中、中田さん、本当におめでとう!


0から1ではなく、1~99を書き込んで、100を創り出す

ChatGPTを始めとする生成AIに、何の情報も与えずに文章生成させると、ありきたりな文章を作ってどこでも見たような内容になるんですが、情報を与えれば与えるほど精度が上がって、文章を繋げて読めるようにするのは得意であるというのがよくわかります。

なので、一度作った文章をどうすればもっと読みやすく出来るかとか。足りていないところをChatGPT側から質問させて、それに答えることで文章をより立体的に仕上げてくれるとか、そういった使い方をすることで補完的にアウトプットを作り上げることが楽勝になるわけです。

AIが作った最後の文章も数か所私がいじってふざけましたが、頭からつま先まで全部作文していたらそういった余裕もなくなるので、元ネタを振って、作文させて、最後に気に入らないところを調整することで自分を活かしたスピーチ原稿が書けるということです。

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