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スポーツバトンを長持ちさせる方法
アルファメックでは、バトントワーリングで使われる、バトンにダブルニッケル・クロムメッキ処理を行っています。パレードなどで見かけるのが一般的ですが、競技人口がかなり絞られたスポーツバトンというものがあり、扱っている商品はそちら向けが多いそうです。
バトンに関しては完全な素人なのであまり専門的なことは分かりませんが、先日取引先の社長からスポーツバトンについて少し教えて頂いたので、表面処理の観点からこのバトンの良さをお伝えしたいと思います。
バトンは、手元で高速回転させたり、投げたり、掴んだりするためなるべく軽量で表面が滑らかである必要があります。そのため、なるべく軽い素材を使いたいのですが、鉄で出来たパイプは手汗ですぐに錆びてしまいます。
そこで、ステンレスで作ったバトンもあるのですが、ステンレスは鉄・ニッケル・クロムの合金であるため若干重くなってしまいます。すると、遠心力がかかった時その差が大きくなってしまうのです。
そこで、メッキの登場です。軽い鉄鋼素材で作られたパイプを、研磨したあとニッケルを二層メッキして、その上にクロムメッキを施します。
ここにポイントが二つあります。
一つは、研磨がバトンの長手方向へまっすぐされていること。
これはどういうことかというと、研磨が円周に対して螺旋を描くようにされている場合、滑らかな指ざわりでなければならないバトンに、少し引っ掛かりが出来てしまうので、長手方向にまっすぐ研磨することで滑らかな指ざわりを実現しているというわけです。
もう一つは、防錆能力がしっかりあること。
スポーツバトンは特に選手が手汗をかくので、どうしても錆びてしまいます。これは仕方のないことですが、選手によって錆びるまでの時間差があるようです。クロムメッキは錆に対してかなり強いのですが、少しの傷やメッキに一定数出来る小さな孔から汗に含まれる水分と塩分で下層にあるニッケルを錆びさせます。錆びる速度の遅い半光沢ニッケルメッキの上に、錆びる速度が比較的早い光沢ニッケルメッキを重ね、鉄鋼素材に錆が到達するのを遅らせる働きがあります。少しでも長くバトンを使うコツは、手汗を毎日きっちり拭き取ることと、キズが付かないように丁寧に扱うことです。
もちろんスポーツバトン以外にも幅広く使われているそうですので、バトントワリングに関っている方は是非ご覧ください。
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