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引っ越し退去時に見つけたお札
11カ月前に3年11カ月住んだ賃貸マンションから退去しました。不動産あるあるだと思うのですが、いざ引っ越し作業を完了して、不動産業者立会いの下で部屋の瑕疵確認をしたときに、お札が出てきました。もしあるあるじゃないというのであれば、若干気味が悪いのですが、3年11カ月間何もありませんでしたし、逆にお札のお陰で護られていたんじゃないかと思うと、その前に何があったんだと勘ぐってしまうのですが、その物件に住んでいたこと自体を変えることは出来ないので、あえて掘り返すことはしませんでした。その時の顛末を詳しくお話したいと思います。
引っ越しから1カ月、謎の模様が浮かび上がった
前のマンションには、2014年3月に入居しました。3月に入居し、4月から結婚した妻と二人暮らしを始めたのですが、同居初日に事件は起きました。
お風呂から上がって、ドライヤーで髪の毛を乾かそうと思い、鏡を見た次の瞬間、本当にリアルな男性の横顔が鏡の右上部分に浮かび上がったんです。
信じられない状況に髪を乾かすことも一旦忘れ、すぐさま妻を呼びにリビングへ向かいました。私は半分面白い物でも見つけたような顔で呼ぶので、悪戯と思った妻はヘラヘラ笑いながらついてきましたが、鏡を見た瞬間絶句しました。
「ひっ!!」
私は、ドライヤーの熱風で湯気で曇った鏡を綺麗にすると、内心ビビりながらも、「人間生きてたらいつか死んじゃうし、気にしないでも大丈夫じゃない?」と自分に言い聞かせるようにつぶやき、それから一度も出てこなかった男の顔を次第に忘れて生活を送って行きました。
そして4年が経ち、子どもも産まれて手狭になった部屋を退去することとなりました。
引っ越し作業の辛い想い出
4年間家族3人で暮らした部屋からの引っ越し作業は困難を極めました。引っ越し作業と言うのはご存知の方に取ったらそんなこと皆経験してるよと言われるかもしれませんが、整理整頓の全てが凝縮されていると言っても過言ではありません。新居での生活を引っ越しと同時にスタートさせようと考えていたため、引っ越し作業と並行して普段の生活をしていかなければなりませんでした。
おまけに子どもが小さかったため、妻は戦力外で実質私と義理の父二人で作業することになり、今でも独りで二日間ぐらい徹夜しても間に合わなかったんじゃないかと思うとぞっとします。
そんな作業も何とか終わらせ、新居への引っ越しを完了させ、後はゆっくり新生活をスタートさせながら荷解きをしていけば良いという段階になりました。
この話は、そんな新生活スタートに思いもよらない影を落とします。
「ご主人!お札貼りました!?」
賃貸物件は退去後、部屋の程度を確認するため不動産屋やオーナー立会いの下、鍵を返却しなければなりません。
引っ越しからたった三日しか経っていないにもかかわらずガランとした部屋を見るとなぜか懐かしく、遠い過去のような気持ちにさせられながら、不動産屋とのやり取りを終え、雑談してから不動産屋を部屋に残して出ていきました。
8階の部屋からエレベータで降りて、少し名残惜しいのでエントランスでポストの上にある表札を見ていると、その不動産屋から電話がかかってきました。
「ご主人!お札貼りました!?」
何のことか分からないまま部屋に再び呼び戻されることになりエレベータを使って部屋まで行くと・・・
「和室の押し入れの中からこんなお札が何枚も出てきたんですが、お忘れものじゃないですか?」
私は、身に覚えがない(本当はある)ことを説明し、私の前に入っていた方が貼ったものじゃないですか?と返事をして、苦笑いで部屋を後にしました。
リンクしたお札と男の顔
この時私は確信しました。引っ越し直後に見た鏡に浮かび上がった男の顔と、4年間気付かれなかったお札がその瞬間リンクしました。思い過ごしではなければ、あの男の顔は以前あの部屋に何らかの形で関わった方のものだったのではないでしょうか。
私たち家族は、お札によって護られていたのであり、気持ち悪いと思いましたが、4年間何もなかったこと(鏡の男の顔を見たこと以外)が何よりの証拠でないかなと改めて考えさせられました。
その後・・・
引っ越した先は前のマンションから近いこともあり、たまに前を通ることがあります。エントランスは外から見えるので、表札に新しい名前が掛かっていないか毎回チラッと確認するのですが、この1年間で一回も名前が掛かっているのを見かけたことはありません。
そのマンションは、借りていた自分で言うのもなんですが物凄く便利な場所にあって、ポスティングでもこのマンションの空き部屋購入を考えていると何度もチラシが入れられていた上に、2階の部屋ですら2カ月もかからず新規の入居者が入っていたことを考えると、明らかにおかしいのです。
お札に護られた奇跡体験アンビリバボーでゾゾっとしたお話でした。
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