コピー代の見える化(野村邦博)

タイトル:コピー代の見える化

【改善前】

パソコンからの印刷や、コピーにコストがいくらかかっているか把握していなかった。特に、白黒とカラーとの違いについても全く意識が無かった。

【改善後】

テプラ―でコピーにかかる1枚当たりの費用を表示するようにした。ムダ刷りをしない様に毎回意識出来るようになった。

この改善の副次的効果として、カラー印刷に対するコスト意識が高まり、各自PCからの印刷はデフォルト設定で白黒印刷になるように設定変更を行った。また、カラー印刷をする前に白黒で試し刷りすることでミスプリントによるコスト削減を行おうと呼びかけることにもつながり、社内コスト改善に大きく寄与できた。

この改善を思いついたきっかけは?

自動販売機はボタンの横に値札が貼ってありますよね?100円の炭酸ジュースと250円のエナジードリンクだと、よっぽどのことが無い限り100円の炭酸ジュースを私だったら選びます。その発想で、コピーのボタンを押すときに値段を見て一瞬ためらって欲しいなという思いから来ています。

優れた改善はどうやったら生まれると思いますか?

優れた改善という言葉の定義が難しいと思いますが、改善の効果が長期間続けばどれも素晴らしい優れた改善であると考えます。改善には段階がありますが、まず最初は下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるです。とにかく闇雲に数を挙げる事だけを考える。改善しなければ効果は0ですが、何かすれば必ず効果はあります。その中で、効果があるなと思ったものを、やりっ放しにせずに続けていけるように仕組みを作ることが重要になってきます。そうすれば効果が長期間にわたって発揮されるので、トータルで物凄い改善になるかもしれません。また、社内の別現場に横展開することを意識することで、波及効果が期待出来、最初の一石が拡げた波紋が何倍にもなって返って来るかもしれません。

①数を挙げる(常に考え続ける癖をつける) → ②効果を定着させる(やりっ放しにしない) → ③横展開する(自己完結しない)

目標はありますか?

私はこの改善活動を推進する立場から始めたのですが、目標は社員全員が「改善活動」を社内の共通言語にして、最低レベルを引き上げていくことです。具体的には毎月1件ずつ全員が改善事例を挙げられるようになってほしいです。そのために、まずけん引していけるほど自分が改善力のある人間になろうと決めて、件数と質の両方を追求しています。最初は自分も改善活動をやったことがなかったので闇雲に件数を挙げていたのですが、途中で社員相互の評価制度を導入したことをきっかけに、人から評価される喜びと、評価されなかった時の落胆を同時に味わい、質も追及する様になりました。

改善活動の「質」とはなんでしょうか?

当社の場合、他人からの評価数になるので、どれだけ共感を得られるかがその質に大きく影響しています。つまり、他人の困りごとを解決するような改善を意識したり、効果を金銭的なモノサシで分かりやすく見える化することなどを追及しています。今回はあえて簡単な改善を紹介しましたが、また効果の大きかったものも紹介したいと思います。


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