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黄昏流星群 ドラマとマンガの違い
現在放映されている黄昏流星群は、ご存知の方も多いかと思いますが弘兼憲史さん作の短編集第1巻の話を基に再構成されたドラマです。弘兼憲史さんと言えば「課長島耕作」が代表作ですが、ハロー張りネズミや人間交差点など、人情味あふれるドラマが真骨頂で、中学生の頃からファンでこれまでたくさん読ませてもらってきました。
黄昏流星群はその巻数の多さから手が出せずにいたので内容は知らず、ドラマが始まったのでもちろん見始めたのですが、第5話を目前に続きが気になって原作を購入して読んでしまいました。
基本的には銀行員が不倫をして本当の幸せは何なのか見つめ直すというストーリなのですが、ドラマでは物語を複雑にする要素があります。
原作には無かった妻の恋
マンガでは不倫されるだけで終わる妻が、ドラマでは娘の婚約相手と恋に落ちます。そんな娘は自分より年上の男性の恋人が別にいて、ドロドロとした展開にボリュームが持たされています。後者の設定はマンガでも同じ。
不倫相手の境遇
ドラマでは認知症を患う母親の介護で、自分の人生を楽しめていなかった不倫相手の目黒栞(黒木瞳)に対して、結婚離婚を機に好きだった料理の世界に進み、気付けば40歳を過ぎていた彼女が、本当にやりたかったイタリアンレストランの店を持つ夢を追いかけているという設定差。認知症の母の設定は必要なのだろうか、後からここも伏線として使われるのか。
主人公が出向するか否か
ドラマでは自分を可愛がってくれていた常務の失脚に伴い、銀行を追い出される形で出向を言い渡され、出向先に目黒栞がいることで出向を決意する主人公ですが、マンガの方では娘から結婚するまでは銀行員の肩書で居て欲しいと言われ、出向を言い渡した上司に逆らい銀行に残ります。
ここからは推測ですが、主人公に出向を言い渡した上司はその後不正が発覚し失脚することで、再び閑職コースから出世コースに戻るのですが、ドラマの方も同じように出向の原因となった上司の失脚がひっくり返って銀行に戻ることになると予想されます。その時、出向先の食堂で働く目黒栞との間で揺れ動く展開が予想されます。
原作ありきの面白さ
原作が既に公表されているということは、名作であればあるほど世界観を含めて完全に再現できるかどうかが重要です。一方で、少し手心を加えて話にボリュームを持たせる。このドラマにはそういう趣向が凝らされています。
どこかで見たことがあるのですが、先に結末を聞いた方がドラマや映画を見終わった後、満足度が高いという研究結果が出ているそうです。たまに、ラストシーンから始まるドラマがあるのはそのためです。過程を楽しむのも、映画やドラマの醍醐味ですしね。
そして、結末を変更するということも予想されます。
最近よくある手法として、ネットドラマと同時進行で別展開を放映し、同人誌的な楽しみ方を模索するドラマが増えてきています。DVD化した後に不評だったエンディングをアナザーストーリーとして別置きする映画もあったりします。私はこのやり方だけは根性ないなと思いますが。
いずれにせよ、原作では人生って素晴らしい!みたいな終わり方なのですが、全員が破滅的な方向に堕ちていく家族が、今後どんな展開を迎えるか楽しみで仕方ありません。
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